私たちの身の回りにはたくさんのプラスチック製品があります。
しかしそもそもプラスチックとはどのようなものなのでしょうか。
プラスチックで作られた製品があり、また樹脂で作られた製品もありますが、プラスチックと樹脂は違うのでしょうか。
この記事では、プラスチックと樹脂は違うのかを含め、プラスチックについてわかりやすく簡単に解説します。
プラスチックとは?
プラスチックとはどのようなものなのかご説明します。
プラスチックと樹脂は違うと思う人もいるかもしれませんが、プラスチックは「合成樹脂」の一つです。
つまりプラスチックは樹脂を人工的に合成して作られたものです。
樹脂とは樹木から分泌された樹液が固まったものです。
樹脂の代表的なものには松脂、柿渋、漆などがあります。
樹液から蒸発しやすい成分が蒸発した後に残った固形のものが樹脂です。
つまり樹脂として残ったものは蒸発しづらい性質をもっています。
樹脂は水に溶けにくく、固まった後には安定し形を維持する性質があり、古くから塗料や接着剤などとして使われてきました。
このように使い勝手の良い性質を持っている樹脂を幅広い用途に使うために、石油などを使って化学的に合成したものが合成樹脂です。
プラスチックはこの合成樹脂の一つです。
プラスチックの用途
プラスチックにガラス繊維を混入させるとガラス繊維強化プラスチック「FRP」ができます。
このFRPは自動車や電車にも利用されていて、金属のように丈夫でありながら軽いことが特徴です。
ペットボトルのフタの部分には「PET樹脂」というプラスチックが使われていて、そのことから「ペットボトル」という名称になりました。
このPET樹脂は石油由来の樹脂の1つで、耐熱性や反発力に優れています。
プラスチック(合成樹脂)と天然樹脂の違いは?
プラスチック(合成樹脂)と天然樹脂の違いについてご説明します。
天然樹脂は樹木から分泌された樹液が固まったそのままの状態のものです。
この天然樹脂を人工的に合成して作られた、天然樹脂に似た性質のものを合成樹脂といいます。
プラスチック(合成樹脂)とゴムは違うのか?
プラスチックとゴムは似ていますが、異なるものです。
ゴムには弾力がありますが、プラスチックは硬いものがほとんどです。
また加熱した時にわかる性質の違いもあります。
ゴムは「熱硬化性」という性質があり、熱を加えることで硬くなります。
これに対して、プラスチックはゴムと同じように加熱すると硬くなる「熱硬化性」のものがほとんどです。
しかし中には稀に加熱すると軟らかくなる「熱可塑性」のものもあります。
ゴムはケーキのような性質で、プラスチックはゼリーのような性質
ゴムはケーキのような性質です。
ケーキは一度焼くと、もう元の生地には戻せなくなります。
また時間をかけないと生焼けでしっかり固まりません。
ゴムも同じです。
ゴムは熱を加えることで硬くなり、不良品ができてしまっても形は元に戻せません。
またその化学反応を起こすためには長い時間が必要です。
これに対してプラスチックはゼリーのようなものです。
ゼリーは一度固まっても、もう一度熱を加えるとどろどろになります。
これを違う型に入れて冷やせば、違う形のゼリーになります。
いっきに冷やすことで、早く固まります。
プラスチックにもこのようなゼリーと同じ性質があります。
プラスチックは不良品ができてしまった場合はもう一度熱を加え、再び利用できます。
冷やして固める際は、ゴムよりも短時間で作れます。
製造方法
上記のような性質の違いがあるため、ゴム製品とプラスチック製品の製造方法は異なります。
ゴムはケーキのような製造方法です。
熱した金型に入れて熱を加えることで硬くして金型の形に変形させます。
これに対してプラスチックはゼリーのような製造方法です。
金型に注入する前に熱を加えてどろどろの状態にしたものを、冷やした金型に入れて冷やすことで金型の形にします。
プラスチック(合成樹脂)製品の例
プラスチックの製品にはどのようなものがあるか、素材ごとに製品の例をあげます。
プラスチックは身の回りの様々なものに使われています。
ポリエチレン:ビニール袋、ラップ、容器のフタ
ポリプロピレン:お菓子やパンの包装、トレー、お弁当箱、密閉容器
ポリスチレン:コップ、トレー、乳製品の容器
AS樹脂:コップ、計量カップ、おもちゃ
ABS樹脂:食器、漆器、おもちゃ
まとめ
この記事ではプラスチックについて解説しました。
私たちの身の回りにはたくさんのプラスチック製品があります。
プラスチックは樹脂を人工的に合成して作られたもので、プラスチックは合成樹脂の一つです。
天然樹脂は樹木から分泌された樹液が固まったそのままの状態のもので、この天然樹脂を人工的に合成して作られたものを合成樹脂といいます。
プラスチックとゴムについても、似ていますが異なるものです。
この記事を読んでプラスチックについての疑問を解消していただけたら幸いです。
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